【外で言うことを聞かない子】走り回る行動を止める具体的なルールと関わり方
「外に出た瞬間、全く言うことを聞かなくなる」「スーパーや公園で走り回って止まらない」「危ないからやめて!と叫んでも聞いてくれない」──家ではある程度言うことを聞けるのに、外に出た途端にスイッチが入ったように暴走する子どもは少なくありません。
しかし大人の「言ってもわからない子」ではなく、子どもなりの脳と感情の仕組みが関係しています。外の刺激によって衝動が抑えられなくなったり、「自由にしてもいい場所」だと認識してしまっているだけなのです。
この記事では、【外で言うことを聞かない子の心理】【走り回る行動を止めるためのルール作り】【声かけと関わり方の具体例】を専門的視点からわかりやすくお伝えします。
なぜ外では言うことを聞けなくなるのか?
① 外の刺激で興奮状態になる
子どもにとって、スーパーはキラキラしたお菓子や音、色が溢れるテーマパークのようなもの。公園や広場は「走ってもいい場所」だと無意識に認識しています。大人の「やめなさい」は「もっと楽しいことの邪魔」にしか聞こえません。
② 親の注意が“ゲーム化”してしまう
「走らないで!」「待って!」「こっち来て!」と追いかけると、子どもは【鬼ごっこが始まった!】と勘違いしてさらに逃げることがあります。叱っているつもりが、実は「遊びの誘い」になってしまっています。
③ 「危険の想像」がまだできない
大人は「車にぶつかったら痛い」「迷子になったら大変」と想像できますが、幼児にはそれができません。言葉より「体験」や「シミュレーション」で覚えさせる必要があります。
走り回りを防ぐには「事前ルール」が最重要
外出してから注意するのではなく、出発前に“合図とルール”を決めておくほうが圧倒的に効果的です。
例:スーパーに行く場合
・「お店ではママと手をつなぐのがルール」
・「手を離したら停止ゲームになるよ」
・「白い線より前に出たらママがストップの歌を歌うからね」
例:公園や広場の場合
・「木のとこまで走ってOK。それより先はゆっくり歩くコース」
・「ママが両手を上げたらストップ」
・「走りたいときは『走っていい?』って合図してね」
✅ 子どもは「ダメ」より「ルール」とセットで伝えたほうが守りやすくなります。
実際に走り出したときの声かけ
✖「こら!止まりなさい!」
◎「ストップミッション発動!止まれたらポイント3!」
✖「もう連れてこないよ!」
◎「止まれたら〇〇売り場に行けるチケットゲット!」
✖「危ないでしょ!」
◎「ママの姿が見えなくなったら迷子レベル3だから戻ってきて!」
✅ 命令ではなく「ゲーム・ミッション・ポイント化」すると、一瞬で切り替わります。
危険を理解させるには「体験型で教える」
言葉だけで「危ないよ」と言っても伝わりません。以下のように“リハーサル方式”が有効です。
・駐車場の前で「ここから車が来るから、線の内側にいたらセーフゲームね」
・道路の前で「ピタッと止まれる忍者になれるかテスト」
親が本気でやると、子どもも「これは大事なんだ」と自然に理解します。
絶対にやってはいけない対応
✖「走るなら帰るよ!」と脅す
→ 一時的に止まりますが「親=怖い人」という記憶だけ残ります
✖「〇〇ちゃんはちゃんとしてるのに」など比較する
→ 自尊心が下がり、逆に逆らいやすくなります
✖ 力ずくで押さえつけるだけで終わらせる
→ 危険時は仕方ありませんが、その後「なぜダメだったか」の説明が必要です
おわりに:言うことを聞かないのは「挑戦している証拠」
外で言うことを聞かないのは、“外の世界を体で学ぼうとしている”というサインです。好奇心も自立心も成長の一部です。
大切なのは【叱ること】ではなく【一緒にルールを作っていくこと】。
今日1回でも止まれたら、それは100点満点の成長です。
あなたの子どもは「言うことを聞かない子」ではありません。「まだ練習中の子」です。
焦らなくて大丈夫。あなたの声かけと関わりは、ちゃんと伝わっています。
