【ごはんを食べない子への対処法】遊んでばかり・好き嫌いが多い時の声かけとコツ
「ごはんの時間なのに全然食べない」「遊んでばかりで席に座ってくれない」「好き嫌いが多くて毎回イライラする…」
3〜6歳ごろの子どもに多い悩みですが、毎日続くと本当にストレスになりますよね。
しかし実は、この時期の「食べない」は“わざと親を困らせている”わけではありません。幼児期の発達や心理を踏まえて声かけや環境を整えるだけで、食事時間が驚くほどスムーズになることがあります。
この記事では、「なぜ子どもは食べないのか?」という原因と、「今日から使える声かけ例」「イライラしないための仕組みづくり」を児童支援の専門視点からご紹介します。
なぜ子どもはごはんを食べないのか?主な原因3つ
① 遊びのほうが“今は大事”だから
幼児は「空腹」より「好奇心」が優先されがちです。特にブロックやおままごとなど集中している時は、大人の「ごはんだよ!」の声がそもそも頭に入っていません。「呼んでいるのに無視してくる…」と感じるかもしれませんが、実際は“聞こえていない”または“切り替えるスキルがまだ未熟”なだけです。
② 「ごはんの時間=怒られる時間」になっている
「早く座りなさい」「なんで食べないの」「いい加減にしなさい」と言われるほど、食卓=叱られる場所になります。大人でも、毎回怒られる場所には行きたくなくなりますよね。楽しい空気のほうが食べる量は確実に増えます。
③ 自分でコントロールしたい「イヤイヤ期の自立心」
「食べなさい」と言われるほど「食べたくない」になるのが幼児の心理。逆に“自分で決めた”という感覚があれば自然と食べ始めます。つまり「食べさせる」より「食べたくなる空気づくり」がポイントです。
遊んでばかりの子に使える魔法の声かけ
✖「遊ぶのやめて早く来なさい」
◎「そのお人形も一緒にごはん見に行こうか?」
→ 遊びを中断させるのではなく“連れていく”発想に変える
✖「あとで食べさせるよ!」
◎「時計の短い針が6になったら、ごはん隊に変身しよう」
→ 命令ではなく“イベント化”するとスムーズ
✖「ちゃんと座って!」
◎「スプーンさんのお隣はどこかな?」
→ 行動指示より “役割遊び” のほうが響きます
好き嫌いが多い子には「選ばせる作戦」
幼児は「食べること」より「選ぶこと」が好きです。
・「にんじんとブロッコリー、どっちから食べる?」
・「ごはんの上に旗を立てる係やる?」
・「星の皿とまるい皿、今日はどっちに盛る?」
“自分で決めた”という感覚があれば、不思議と「食べるモード」に入りやすくなります。
やりがちなNG対応と改善ポイント
✖「一口でいいから!ほら、あーんして!」
→ 無理やり食べさせられると“食べる=罰”になります。
◎「今日はごはんさん、お腹休憩にする?明日元気なときに会おうね」
→ 食べなかった日を“失敗”にしない。精神的な余裕があるほうが翌日食べられます。
✖ テレビや動画を見せながら食べさせる
→ 一時的には食べますが、“食事はながら作業で済ませるもの”という習慣になります。
◎「食べ終わったら好きな動画見ようね」「今日はごはんヒーローがんばれたら特別タイムしよう!」など、食後の楽しみとして分ける
イライラしないための「仕組みづくり」
・食事時間は20〜30分で切り上げる(ダラダラ延長しない)
・食べなかった分を追いかけ回してまで食べさせない
・量を少なめに盛って「全部食べられた!」の成功体験を作る
・「食べたらシール」「完食スタンプ」など可視化も効果的
・食事前の10分はテレビや遊びをやめて“気持ちの切り替えタイム”を作る
おわりに:食べない日は悪い日じゃない
「食べない=ダメ」ではありません。
大人だって「今日はあまりお腹空いてない日」ってありますよね。子どもも同じです。
むしろ“今日は一口食べた”“昨日より座っていられた”という小さな成長に目を向けられる親ほど、長期的に子どもの食習慣は安定します。
完璧を目指す必要はありません。
1年後に「笑ってごはんを囲めている家族」になっていれば、それが一番の成功です。
